「家族ゲーム」観た。
登場人物たちはシラケてて、虚無的というか、何というか、とにかく冷たさの方向性に針は振れていて、
であるにも関わらず、というのも変だけど、主人公の少年の目的は達成される。熱血的な物語と同じように、最後は夢が叶う。
その夢とは、受験合格とか、イジメっ子ライバルとのケンカにも勝つとか。
願望が成就される人間ドラマという形式に則りながら、その夢が果たされて尚、シラケてて、幸福感を得られず、つまり自分を見つけられず、
目的は達成される。いや、それを達成する馬鹿らしさに気づきながら、別の価値観を見つけられないで、そのまま終わるという諦めの物語か。
別の価値観に気づきながら、そのゲームを淡々とこなす、それこそが最悪の地獄だという含み。
という内容も面白い。そして映像も良い。映画って感じ。演技だってクールで、さすが名作。
あらゆる目的が成就して、主人公は安心感は得たようだけど。ラストシーン、昼寝して終わるから。受験合格後、そこで燃え尽きて、腑抜けた人生が始まる（しかしヘリの音が騒がしいというセリフもあって。テロが起きて、催眠ガスでも撒かれたような不穏な感じもあるけど）。
