loki base

主に観た映画の感想とか。

みなに幸あれ

「みなに幸あれ」観た。

ネタバレ注意。

祖父の家の中に不気味な住人がいる。実は生け贄だった。そこまでは面白いとして、それを見つけて、果たして孫娘である主人公は、すぐにその生け贄を解放しようとするものだろうか? という疑問を覚える。

その行動に飛躍を感じる。説得力がない、もしくは説明不足。しかも警察を呼ぶとかでもなく、その生け贄を家の外に出して、半裸の状態で歩かせて。

その辺りから物語はリアリティを失い、ホラーというジャンルでありながら、恐さも消えて、悪ふざけ感が出て来て。作り手の照れとか、投げやり感みたいなのが、ふと顔を覗かせて。

まあ、最後まで恐いホラー映画なんて、そうはないのかもしれない。「家の中に、何か不気味なものがいる、っぽい。それが何かわからない」という状況までは恐い。どんなホラー作品でも、序盤はワクワクして、しかしその正体がわかったら、観客は醒めてくるものであるとしても、

生け贄の存在意味の説得力はあるのだけど(サンタクロースと絡めたセリフは切れ味抜群だった)。

しかしその一方、生け贄という不吉で、日本的に言えば穢れに満ちたものを、家の中に留め続けるなんて、民俗学的にあり得るのか。まるで違う文化の村人であるという違和感を覚えて、