「ちはやふるー結びの句ー」観た。
ネタバレ注意。
クイーンとの最終対決の話しなのかと思ったら、この三作目は恋の三角関係にケリを着けることがテーマで(少年マンガ原作と少女マンガ原作の違いか)、
いや、そのケリだって着かないが、
依然として面白いと思う。しかし最初の二作に比べると、泣けるような感動ポイントはないか(最後の最後、「ちはやふる」という句を詠唱する、何ら感情が籠っていない、ある種棒読みの声に、まあ、何か泣けてくるというのはあるのだけど)。
太一を成長させる導師的なポジションの人物が出てくる。彼は何やら、スーパー能力の所有者で。
しかしマンガによくある展開、能力のインフレの果てに、スピリチュアルの領域に入っていくというパターンに陥っているとも思うわけで、
その導師は目が悪くて、失明しかけている。その代わり耳が良くて、何か超能力的とも言える力があり(もちろん、カルタの能力)、弟子である太一は、彼から教えを受けて、成長して、という展開。
物語のためにその成長は必須だとしても、あまりにスピリチャル的な道具立て過ぎて、
前作においては成功していた自己啓発要素も現実との接点を失い、非現実の領域にいっている感が。スーパーサイヤ人、ニュータイプ、フォース、そういう系統。
その作品の良さ、マンガによくあるパターンを独自に異化させて、というアイデアが、その展開にはないか。むしろ、マンガパターンをなぞっていて。
「線は僕を」においては主役は清原果那、瑞々しい新人枠で河合優実だったが、この作品においてはその瑞々しい新人枠が清原果那で、良い感じの存在感。
ぼそぼそ話すその導師だって、見事にキャラは立っていると思うのだけど。